コスト・使用量データからパブリック IPv4 アドレス料金体系変更の影響を確認してみた
いわさです。
先日パブリック IPv4 の料金体系が 2024 年 2 月から変更となる旨のアナウンスがあり、多くの方に影響が出ているのではないでしょうか。
先日 DevelopersIO でも次の記事で紹介されていました。
上記記事で紹介されていますが、Amazon VPC IP Address Manager の新機能「パブリックIPv4インサイト」(Public IP Insights) を利用して、IPv4アドレスの利用状況を確認することが出来ます。
一方で複数アカウントの使用状況を確認したい場合、ひとつひとつのアカウントの Amazon VPC IP Address Manager へアクセスせずにもう少し簡易的に確認する術はないかなと、方法を確認してみました。
そうしたところ、次の AWS 公式ブログでは Cost and Usage Report (CUR) から見積もる方法が紹介されていました。
上記記事の CUR 周りのところをポイントだけ抜粋すると以下のようなことが書いてあります。
- 使用タイプに
PublicIPv4:InUseAddress
とPublicIPv4:IdleAddress
が既に追加されてる。 - 今は使用量だけ計上されてて料金は発生してないが、2024 年 2 月 1 日から料金発生する
今回こちらを使って、クラスメソッドメンバーズポータルと AWS 標準の Cost Explorer からそれぞれ IPv4 の使用状況がどの程度なのかを確認してみましたので紹介します。
クラスメソッドメンバーズポータル
まず、弊社から提供させて頂いているクラスメソッドメンバーズをご利用されているお客様は、クラスメソッドメンバーズポータルを使うことで料金明細を確認することが出来ます。
今回の使用量の確認方法はクラスメソッドメンバーズポータル上でも既に可能でしたので、確認方法を紹介します。
前提として次の記事のようにクラスメソッドメンバーズポータルへアクセスが可能で、月の AWS 利用料金などが確認出来る状態であることが前提です。
ユーザー権限などによっては閲覧できない場合があると思います。
月次料金タブから 2023 年 7 月を選択します。月次料金の場合は使用量のサマリを確認することが出来ます。
こちらから Amazon Virtual Private Cloud (VPC) を展開します。
そうすると使用タイプごとの使用量と料金を確認することが出来ます。
こちらでPublicIPv4:InUseAddress
とPublicIPv4:IdleAddress
を調べてみましょう。
おお、使用量が記録されていますね。
IPv4 アドレスを約 25,000 時間使用しているようです。
使用タイプがリージョン別になっているので全リージョンの使用状況をパッと確認出来て良い感じです。
料金は発生していないようです。こちらが 2024 年 2 月より料金も発生するようになるということのようです。
今回こちらを確認したところ 2 点気になったことがあります。
- 新しい料金体系の発表は 7 月末だったが、この使用量っていつからいつまでのものなのか。7 月末だけでこんなに...?
- アイドル状態のアドレスはアタッチされていない Elastic IP アドレスのことだと思うが、料金既に発生してるはずでは?
Cost Explorer でも見てみた
先程のアカウントとは別の非クラスメソッドメンバーズの AWS アカウントで確認してみました。
AWS コスト管理メニューから Cost Explorer を選択します。
粒度は日別で、グループ化のディメンションに「使用タイプ」を選択します。
レポートパラメータで使用タイプにPublicIPv4:InUseAddress
とPublicIPv4:IdleAddress
を選択します。
そうすると日別のPublicIPv4:InUseAddress
とPublicIPv4:IdleAddress
の合計量を確認することが出来ます。
いくつかの AWS アカウントで確認してみましたが、7 月 5 日の途中あたりから計上が始まっているようです。
そのため、同じ AWS アカウント上で IP アドレスの仕様状況が変わらない状態でも 7 月の月次使用量と 8 月の月次使用量だと対象の日数が変わってくるので気をつけましょう。
また、上記のように使用している IPv4 アドレスがなくなると、計上されないことも確認出来ました。
アイドル状態の Elastic IP は使用量が重複しているっぽい
続いてアイドル状態の Elastic IP アドレスについても確認してみます。
これについては元々使用タイプが存在していたので、こちらを表示させてみましょう。
ElasticIP:IdleAddress
というやつです。
PublicIPv4:IdleAddress
とElasticIP:IdleAddress
が次のように表示されました。
PublicIPv4:IdleAddress
については計上が始まっているので 7 月 5 日以降ではありますが、使用量はElasticIP:IdleAddress
と同じで 48 時間ですね。
2024 年 2 月 1 日からはPublicIPv4:IdleAddress
側で料金が発生し、ElasticIP:IdleAddress
側はなくなるとかですかね?
このあたりの情報は今後出てくるのかもしれません。
ちなみに上記から未使用の Elastic IP アドレスが 2 つあるっぽいことに気が付きました。認識してなかった...。
さいごに
本日はコスト・使用量データからパブリック IPv4 アドレス料金体系変更の影響を確認してみました。
CUR から IPv4 アドレスの使用量を確認することが出来ましたね。
まず、7 月の使用量は月途中から計上が開始されているので注意しましょう。
また、アタッチされてない Elastic IP アドレスは使用タイプどちらを確認するのが良いのか、今後もう少し情報をウォッチしたほうが良さそうです。
対象の IP アドレスが何なのかという点は Amazon VPC IP Address Manager から特定が必要ですが、どの程度の料金が発生し得るのか把握するレベルであれば CUR から確認する方法も良さそうです。複数のアカウントを対象に使用状況を可視化出来たりしそうですね。
今後対応を進めるにあたって 2024 年 2 月に向けて IPv4 の使用量がきっと下がっていくのだと思いますが、対象アカウントでどの程度対応が進んできたのか時系列を把握するとか、色々と活用方法がありそうだなと感じました。